ハワイアンと釣り

『I kāhi ʻe ka mālia, hana i ka makau. 』

「晴れるまで時間がかかるなら、釣り針を作ろう」

海の恵みを生活の糧に生きてきたハワイアンにとって、漁はとても大切なものでした

この諺は、雨が降って漁に出られない時間、漁に出る時の為に釣りの準備をしておこうという意味から、何事にも準備を整えておくことは大切だということを私達に教えてくれます

ポリネシア一帯では、海はあの世とつながる場所と考えられていて、漁に出る事は儀式を伴う、男達の通過儀礼でした

12〜14才頃になると、少年達はカヌー小屋に連れて行かれ、村の習わしや漁の技術を大人達から教えられます
この期間、少年達は女の子と会うこともタブー
漁に出る日、少年達は貝の装身具を身に付けカヌーに乗り込みます
自分ひとりの力で魚を釣り上げた時、少年は『男』になったとみなされ、イニシエーションを祝うお祭りが行われました

男性社会において、漁は人生を積み重ねる上でとても重要な仕事であり儀式!
漁に良いとされる日や、漁に関わるタブー、魚の神様を祀るヘイアウ(クウラ・ヘイアウ)もたくさんありました

現在、ある種の魚を捕ってはいけない時期があるように、ハワイにも昔から解禁になるまで捕ってはいけない魚がありました
これは、神様がもうけた『カプ制度』となっていますが、自然界の均衡を守るとても重要なカプであったにちがいありません
中でも、オペルやアクが解禁になった際は、カフナが祈りをあげ、特別な儀式が行われたと言います

魚を捕るということは、男であるか女であるかの違いであり、少年であるか男であるのかの違い…そして、たくさん釣る人は男の中の男…
釣ること、釣る量で、男の格差が出たということですね!

ここで少し小話…
釣りに行くハワイアンに
「釣りに行くんですか?」
「何が釣れますか?」
という問いかけは禁句!
それを魚が聞いて逃げるのだそうです…💦

今でもそれは信じられていて、その言葉を聞いて嫌な顔をする人、怒って帰ってしまう人もいるのだそうです…

男達にとって、釣りは人生の真剣勝負!
釣れるか釣れないかで人生が変わるのですから…

ハワイに行った際は要注意です

〜Aloha〜